先月、奈良市内で
〇〇様の雨漏り相談を受けました。
少し訳ありで民事調停に発展した
案件のため、散水調査は避けて目視とアドバイスだけのご相談です。

「なぜ目視とアドバイスだけ?」と、疑問に感じると思いますが・・・

ここまでトラブルと、第三者が触らない事がベスト。
というのも、「私が散水を行った事で、雨漏りが発生したのでは?」などと
建築会社側に奇想天外な主張をされては、〇〇様が不利益を被るからです。

時系列に経緯を説明すると・・・
まず、建物は木造2階建、壁は透湿防水シートの上に
サイディングを施工、軒はほとんど無い状態、いわゆる軒ゼロです。

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軒ゼロのイメージ写真 :今回の案件は写真を投稿できないので・・・(^^)

引き渡し後、2年目に1F玄関の腰壁から雨漏りが発生し
建築会社が1F中心に修理を繰り返したが、雨漏りが止まらない事で・・・
「これは雨漏りで無く、結露だ!」と、主張を変えた事が発端のようです。

〇〇様は建築会社の主張にひっくり返るほど驚いたそうで・・・

こちらの話に聞く耳を持たない
建築会社の態度に悩んだ末、裁判所に申し立てたようです。

結果的に
雨漏りが発生しているか、いないのかが、論点になるようで
建築会社と裁判所の立ち合いの元、散水による雨漏りの検証
おこなう事になった模様。

とはいうものの、〇〇様の心境からすると・・・

検証時に「雨漏りが確認出来なかったらどうしよう・・・」
だからといって、「具体的な知識も散水ポイントも分からない?・・・」

などの不安から共通の知り合いである
1級建築士さんを通じて私に連絡があり、相談にのる事になった訳です。(^^) 

目視調査の当日、建物を確認しながら一通りのヒアリングを終えたが、
今までの流れや建築会社に対する怒りも湧きおこり、ヒアリングに1時間程度かかった。(笑

その後、屋根裏に上がり屋根と壁の取り合いを確認すると、
屋根裏内部から外の暖かい一筋の光が差し込む・・・???            

えっ!!・・・差し込んだら、あかんやんか・・・(^^:)

そう、窓は別として、建物内部から
外部が見える不自然さは子供でも理解できるはず。
そら、・・・風雨を伴えば雨水は軒先の隙間から浸入するでしょう。

建築会社が2F軒先の不具合に気が付かなかった理由として
玄関の上の階(2F)が浴室になっている事から、雨水の痕跡が残っていない(分からない)、
軒先から浸入した雨水に気が付かず1F中心に闇雲に雨漏り修理を繰り返していたと推測される。

 

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図で説明すると
赤の矢印から母屋の内側まで屋根裏に光が差し込む。
おそらく、光が差し込む部分は破風板と破風板のジョイント(つなぎ目)だと
考えられるが、透湿防水シート(壁の二次防水)が野地板でなく、母屋や桁の下端で終わっている。

ようするに、結露では無く、明らかな施工上の不具合である。

状況と散水のポイントを〇〇様に説明して終了。
後日、〇〇様から建築会社と裁判所の立ち合いの元、
私が指摘したポイントより試験水が浸出したとの連絡がありました。(^^) 

軒ゼロの修理

さて、いつもはここで話が終わるところですが、
今日は軒ゼロの修理はどのようにすればよいかを簡単な図で解説します。

本当に簡単な図で・・・てぇ、下手な図になるけど・・・(*^艸^*)

先ほどの話は、実は軒が長ければ建築会社の
軒先の作りでも、ある程度の風雨ならば内部に浸入しません。

ただし、決して良い施工事例とはいえない・・・

ようするに、手抜きというより、今まで通りの施工をしただけ。
「えっ・・・!!」と、驚く方もいるでしょうが・・・マジです。(^^) 

唯一、違った事は従来の建物より、軒が短くなったこと。

近隣との境界に余裕が無かったか
デザインを優先し、軒を短くした・・・などの理由が考えられる。

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 図の赤の部分:新たに施工する防水テープ等

 

さて、今回の修理ポイントですが
野地板の裏側まで透湿防水シートが無いことです。

なので、上の図で解説すると
屋根のルーフィングと壁の透湿防水シートを防水テープ等で
つなぎ、ルーフィング(屋根)・防水テープ(破風板)・透湿防水シート(サイディング)
防水材の連続性を持たせる事で、雨水を防水材の外に排出する仕組みを作ります。

 WS000023
 参考写真 :今回の案件とは違う施工写真
 注意   :修理方法はこれ以外にもあり

上の写真は他の現場で、実際に軒ゼロを修理した時の写真ですが、
防水テープ(赤文字)を破風板の下地に施工、さらに、透湿防水シートまで、
防水テープをつなげたもの。

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その後、
透湿防水シートの上にサイディングを貼り
防水テープの上に破風板(白)を施工すれば、ケラバ・破風板のジョイントなどから
雨水が浸入し流下しても、部屋内に浸入することなく排出される仕組みが出来上がります。

残念ながらこれ以上、施工方法の
細やかなポイントは伝えきれませんが、
どちらにしても、慣れない建築会社では難しい修理になるはず。

なんとか、雨漏りを止めてほしいもの・・・

て、いうより・・・今度こそ
結露などという、苦し紛れな主張はしないでほしい・・・(苦笑